「どうせこのまま一生社畜だよな…」
就職氷河期を経験した僕が、社会の荒波にもまれながらそう諦めかけた日々は数知れません。家族が増え、責任も重くなる中で、「このままでいいのか?」という漠然とした不安を抱えながら、資産形成なんて別の世界線の事だと思っていました。
でも、なんとか資産3000万円を達成。特別な才能もコネもない、平均以下の給料しかもらってない僕が、どうやったのか? そして、次のFIRE目標に向けて今、何を考え、どうモチベーションを再燃させているのか。今回は、そんな話です。
絶望の氷河期
僕が社会に出たのは、まさに就職氷河期のど真ん中でした。大学を出ても正社員の口はなかなか見つからず、ようやく入れた会社はブラックで、給料は決して高くありませんでした。将来に対する不安は常に付きまとい、「このままで本当にいいんだろうか?」という焦燥感に駆られる日々でしたね。
その後、何度か転職をして、結婚して子どもが生まれ、家族が5人になった時、漠然とした不安は「何とかしなければ」という具体的な焦りへと変わりました。当時は貯蓄もほとんどなく、将来の教育費や老後の資金を考えると、正直言って途方もない気持ちになりました。子供3人ですからね。
その頃から「FIRE」という言葉を見かけるようになりました。正直、「僕には無理だろう」と最初は思いました。でも、派生FIREというものがあると知り、「サイドFIREなら、ひょっとしたら現実的かも?」と、かすかな希望が。ここからですね、僕の資産形成の起点は。ほぼゼロからのスタートだった僕が、どうやって資産3000万円までたどり着いたのか。
僕の資産形成:3000万円達成までの道のり
2018年からの投資戦略:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とVYM
僕が本格的に投資を始めたのは2018年です。当時、投資に関する知識はほとんどありませんでしたが、いくつかの書籍やブログを読み漁り、「インデックス投資」こそが、僕のような凡人には最適だと確信しました。それから、老後2,000万円問題なんてのも出てくるようになり、ますます投資モチベーションは上がりました。
僕のポートフォリオは、ほぼ「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がメインで、全体の90%以上を占めています。理由はシンプルで、世界経済を牽引するアメリカの成長に丸ごと乗っかるのが、最も手間がかからず、長期的に見てリターンが期待できると考えたからです。オルカンでもよかったのですが、投資を開始した当初から、どの道オルカンでも銘柄構成はそれほどS&P500と変わらなかったですからね。株価の上下に一喜一憂せず、ひたすらドルコスト平均法で積み立て続ける。そんな感じです。バイアンドホールドで握力、握力、ひたすら握力。
残り10%以下で「VYM」を補助的に運用しているのは、将来的に配当金生活に憧れているからです。VYMは高配当株ETFなので精神的な安定剤のようなものですね。わずかな配当金でも入ってくるたびに「お、増えてるな!」とモチベーションになります。もちろん、メインはS&P500の成長に賭けているのでVYMの割合は大きくはしていません。ほどほどにしています。
途中で株価が大きく下落する局面もありましたが、「ここで売ったら損をするだけだ」と信じ、むしろ「買い時だ~!ヒャッハー!」とひたすら買い増しを続けました。2018年からコツコツと積み立ててきた結果、S&P500の力強い成長に助けられ、ようやく資産3000万円という節目を突破することがでました。
家族5人の家計管理:平均以下の給料でどう乗り切ったか
僕の給料は、正直なところ平均以下です。さらに、妻と子ども3人の家族5人ですから出費はかさむ一方です。そんな状況でどうやって資産を増やしてきたのか?ですが、 それはもうひたすら節約です。秘策などありません。「削れるところは削る、でも無理はしない」というバランス感覚を大切にした家計管理に尽きます。
毎月の収入は手取りで約20万円台前半なので、支出は10万円台前半に抑えるように工夫です。(と家族の協力:妻も働いてる)
食費:節約の最重要項目です。外食は極力控えて自炊を基本にし、特売品を利用し、業務スーパーの信者になります。子どもたちが食べ盛りなので、あまり削り過ぎないようにして、冷凍保存を駆使したり、食材を無駄なく使い切ったりと工夫しています。水筒は基本装備で節約レシピもけっこう覚えましたね。
教育費:ここは聖域に近いですが、塾や習い事も必要最小限に抑えています。公立学校が中心なので、私立のような大きな負担はありません。
レジャー費:家族旅行などは、計画的に貯めたお金や、ふるさと納税の返礼品などを活用して、できるだけコストを抑えています。
その他: スマホは格安SIM、サブスクはアマゾンプライムのみ、保険の見直しなども徹底。服はユニクロすら高いのでGUやメルカリで調達、クルマは中古、酒は家でたまに飲む程度、飲み会の頻度を極小化、タバコはやらない、ゴルフやらない、ギャンブル嫌い、お姉ちゃんの店行かないetc
でも、一番大切なのは、家族全員で協力することです。苦労の末、妻にもNISAの重要性を説きNISA口座をつくらせました。幸いなことに子供達もあれが欲しいこれが欲しいとワガママを言わないので、とても助かりました。
「副業」という名の試行錯誤:失敗から学んだこと
「給料が平均以下なら、副業で稼げばいいじゃないか!」僕もそう思って、これまで様々な副業に挑戦してきました。Webエンジニアという本業があるので、プログラミング系の副業から、ブログ、YouTube、ポイントサイトなど、手当たり次第に試しましたね。
結果から言うと、大成功した副業は、ほとんどありません。ブログもYouTubeも、始めるのは簡単ですが、継続して収益を出すのは本当に難しい。おそらく多くの人がそうだと思うのですが、計画倒れが圧倒的に多い。他にも、調査や勉強に時間と労力をかけたのに、ステージ立つ事すらしなったこともザラです。何かをゼロから始めるって本当に大変です。正直、何度も心が折れそうになりました。というか折れました。
でも、この失敗の経験は決して無駄ではありませんでした。
・「稼ぐ」ことの難しさ、継続することの重要性を痛感しました。
・何かを生み出す事の難しさを実感しました。
・そして何より、「本業でしっかり稼ぎ、そのお金を効率的に投資に回す」ことの重要性を再認識できました
副業で失敗したからこそ、本業に注力し少々の昇給があったり、より確実な「インデックス投資に集中する」という、今の僕のスタイルが確立されました。失敗は成功の母、本当にそう思います。
資産3000万円はゴールじゃない!次のFIREステップを見据える
資産3000万円は、僕にとって大きな節目でした。でも、これはあくまで通過点です。僕が目指すのは「サイドFIRE」。完全に仕事を辞めるのではなく、好きな仕事を選んで働く、あるいは週に数日だけ働く、といったライフスタイルです。
サイドFIRE目標の再設定:リアルな目標額と達成時期
僕が考える「理想のサイドFIRE生活」は、月に20万円程度の不労所得があれば、あとは好きな仕事で最低限のお金を稼ぎながら、家族との時間を大切にする、そんな生活です。そのためには、ざっくりと資産が6,000万円から7,500万円くらい必要だと計算しています。
現在の資産3,000万円から、さらにプラスして4,000万円くらいを増やすとなると、まだまだ道のりは長いです。でも、これまでにつみたてたインデックス投資は、複利の力が働き始めています。これから先は、資産が増えるスピードも加速していくはずです。現在の積み立てペースと、S&P500の平均リターンを考えると、あと10年以内には目標達成が見えてくるかもしれません。(先のことはわからないですが、、、)
モチベーション再燃計画:停滞期を乗り越えるための僕なりの工夫
資産形成はマラソンのようなものです。順調な時もあれば、停滞したり目標が遠く感じたりする時もあります。そんな「停滞期」を乗り越え、モチベーションを再燃させるために、僕なりの工夫をいくつか書いてみます。
目標の「見える化」と定期的な振り返り:毎月、資産額の推移のグラフを確認ています。少しずつでも右肩上がりに増えているのを見ると、「よし、順調だ」と安心できますし、減っている時も「これは一時的なものだ」と冷静になれます。(本当は、そんなに頻繁に資産状況を見るのはよくないみたいですね)
自分への「ご褒美設定」と小さな成功体験の積み重ね:頑張りすぎは禁物です。僕は、目標を一つ達成するごとに、ささやかながら自分へのご褒美を設定しています。例えば、「資産〇〇万円達成したら、前から欲しかったあの本を買う」とか、「家族でちょっと贅沢なランチに行く」とか。こういった小さな成功体験の積み重ねが、次へのモチベーションに繋がります。
それでも副業をあきらめない:いまのところ形になっている副業はありませんが、サイドFIREを目指す事、つまり自分の事業を持つ事をあきらめてはいません。「あきらめたら、そこで試合は終了だよ」ってやつです。もしかしたら僕は、資産がお金を生み出すという事よりも自分の事業を持って自分の力でいつでもお金を生み出せるようになる事の方に強く魅かれているのかもしれません。
まとめ
最初は、ほぼゼロからのスタートでした。就職氷河期という逆風の中で、将来への不安を抱えながら、手探りで資産形成を始めました。でも、小さな一歩を積み重ね、地道に努力し続ければ、必ず未来は変わります。
資産3000万円達成は、たぶん特別なことではありません。僕のような就職氷河期世代のサラリーマンで、家族5人、給料平均以下という環境でも、ある程度の知識と継続する力があれば、ここまでは来れます。僕がこれたんだから。
今、どんな状況にあっても、まぁ道は開けます。焦らず、自分のペースで、一歩ずつ。僕もまだまだ道半ば。